全遊振は1月10日、都内台東区のバグース上野店で今年第1回目の定例セミナーを開催。新春基調講演として業界フリーライターのPOKKA吉田氏が登壇し、遊技機マーケット動向をメインテーマとする「2019年の業界展望」について講義した。
遊技機マーケットに関する講義の冒頭、同氏は「ビジネス的な観点でいうと、今はホールよりもメーカーの方が苦しいと認識している」と話す。その根拠の1つとして挙げたのが昨年の遊技機の新台販売台数。パチンコは前年比5~6%減、パチスロは40%減と、厳しい形で推移した。
新台の販売不振の要因について同氏は「官製不況以外の何物でもない」と言い、講義ではその後、官製不況の詳細な説明を加えた。新台の販売不振を同氏が官製不況と言うのは、型式試験の適合数が不足する主な要因が「去年1年間、パチンコ、パチスロとも特定のカテゴリについては、徹底的に試験を行い、適合させないようしていることが類推できる点があった」からだという。特定のカテゴリとはパチンコは設定付きのミドルスペック機、パチスロはAT機全般で、実際、これらのカテゴリの型式試験適合率は極めて低い現状にある。
では、このような状況が今年以降も続くかというと、同氏は「今年前半は厳しいだろうが、後半以降、良くなっていくのではないか」と見解を示した。日工組と日電協は昨年後半以降、例えば行政に型式試験の状況が良くなるようアプローチするなど、それぞれ対策しているようで、この点について同氏は「(その結果)型式試験の状況が改善されると、マーケット(遊技機市場)はかなり良くなるのでは」と話す。
一方、型式試験の状況が変わらなかった場合だが、「それでもマーケットは悪くならない」(同氏)と言う。「ある意味仕方ないが、去年は改正規則の施行に伴い、行政側も試行錯誤していたため、試験方法がコロコロ変わっていた。今年はコロコロ変わることはないだろう。変わることがなければ、各メーカーの対応により、適合率は上がっていくのではないだろうか」(同氏)と見通した。
講義の最後、同氏は「私自身は、改正規則機が素晴らしいとは言わないが、去年は特に悪過ぎた。今年は、希望的観測として型式試験の試験状況の改善が見込まれるうえに、現状のままでも去年よりはマシになる、バジリスク~絆~など高射幸性遊技機がどんどんなくなるタイミングでマーケットが落ちる可能性もあるが、そういう時期に6.0号機が良化していき、あるいは新内規のパチンコで、1/319の設定搭載機が出てきて、案外、改正規則機のマーケットもいけるねという予想をしている」とまとめた。
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