エンタテインメントビジネス総合研究所は1月23日、パチンコ・パチスロのマーケティング事業を展開するシーズとの共同で実施した「第75回パチンコ景気動向指数(DI)調査」の調査報告書を公表した。
今回の調査では、トレンドウォッチとして設定付きパチンコの導入状況、「確変継続率65%規制」撤廃への期待、パチスロ6号機の導入・稼働状況、高射幸性パチスロ機の15%規制延期など「遊技機を取り巻く環境」について質問した。
高射幸性パチスロ機の15%規制が延期されたことに対する感想を尋ねたところ、最も多かったのは「納得できない」で35.0%。「あまり納得できない」(8.3%)を含めると4割以上が納得できていないと回答した。一方、「納得できる」(18.3%)と「やや納得できる」(16.7%)は合計で3割以上となった。
「15%以下までの代替機種数やバリエーションが乏しく、収益性も現状では厳しくなるのが見えているため、延期については評価している」(九州・大規模事業者、他4事業者)、「延期自体は望ましいが、結論が出るのがもう少し早ければ遊技機購入や店舗内での機種構成など検討の余地があったと思う」(関東・中規模事業者)、「これこそ『正直者が馬鹿を見る』という言葉が適切で、業界全体が自分の事だけしか考えていない団体ということが分かった。現状17%であれば、中古機流通を含めると撤去できるのだから、今後を考えても実施するべきだった。(中国・大規模事業者、他4事業者)、「目標を達成する為、計画的に撤去をおこなってきたパチンコ店に対して説明も一切ないし、一部のパチンコ店の主張だけを扱った判断としか思えない。業界にとってマイナスに働くと思う」(関東・中規模事業者)など、この件について寄せられたコメントからも、今回の対応について意見が分かれていることが見て取れる。
また、設定付きパチンコの導入状況については、「導入している」が88.3%、「導入していない」が11.7%と回答。稼働状況については、「やや悪い」が52.8%と最も多く、「普通」(28.3%)、「やや良い」(11.3%)、「やや悪い」(5.7%)、「良い」(1.9%)と続いた。「やや悪い」と「悪い」を合わせると6割近くは稼働が思わしくない結果となった。
パチンコの確変継続率65%規制が撤廃されたことへの期待について質問したところ、最も多かったのは「やや期待できる」で48.3%。「どちらともいえない」(31.7%)、「あまり期待できない」(15.0%)、「期待できない」(3.3%)と続き、「期待できる」は最も少なく1.7%に留まった。
パチスロ6号機の導入状況は、「導入している」が90.0%と大半の事業者が導入している結果となった。稼働状況については、「やや良い」と「やや悪い」が同率で31.5%。続いて「普通」が25.9%と2番目に高い数値となり、事業者によって稼働状況に差が見られた。
過去1カ月の収益や売上、粗利などから判断される全般的業況はマイナス44.7ポイント(前回比28.5ポイント悪化)。前回から大幅な悪化となったが、同書では「12月期は業況が落ち込む傾向がある」と評価した。なお、3ヵ月後はマイナス31.8ポイントまで改善する見通しとなった。
パチンコ景気動向指数(DI)調査は、パチンコ業界における景気動向の判定を目的に、2000年6月から四半期毎に実施しているアンケート調査。事業の業況や資本投資機運のほか、トレンドウォッチとしてパチンコ業界に関係する最新の事案を質問し、その結果を公表している。なお、今回の調査は昨年12月11日~12月26日にかけてファックスおよびWEBアンケートにて実施し、60社のホール企業から回答が得られた。
Copyright © 2019 『遊技日本』 All Rights Reserved.