大遊協 歳末の防犯意識高揚に向け行政講話

 大阪府遊技業協同組合(平川容志理事長)は12月12日、大阪市天王寺区のシェラトン都ホテル大阪において、令和元年度の歳末防犯懇談会ならびに定例理事会を開催した。
 懇談会の来賓には、大阪府警察本部生活安全部の高木久部長はじめ、同保安課より多久竜一課長と森本清孝課長補佐が列席。年末年始の防犯意識高揚に向け、高木部長が講話を行った。大阪府警察では12月1日より31日までの1ヶ月間、① 特殊詐欺撲滅に向けた諸対策の強化②性犯罪、自動車関連犯罪等街頭で行われる犯罪及び金融機関等における強盗に対する諸対策の強化③交通死亡事故抑止対策の強化の3点を重点項目に据えて歳末警戒を実施している。
 府内の犯罪情勢について高木部長は、今年の刑法犯認知件数は当日時点で約71000件、前年比で9100(11.3%)件の減少となり、治安の回復が見られると説明。特に全国でもワースト上位を記録していたひったくりの件数は、大遊協が秋の全国地域安全運動に合わせて行う安心・安全まちづくりキャンペーンでのひったくり防止カバー配布等の取組み等、官民一体となった取り組みが功を奏し、ピーク時の1万件から昨年は400件、今年に入ってからは240件にまで減少したと評価した。しかしながら、特殊詐欺においては毎月100件以上、今年だけでも1719件・22億円の被害額となる。予断が許されない状況であるとともに、架空請求や親族を語った示談金、オレオレ詐欺などに注意して欲しいと呼びかけた。
 業界の健全化については依存防止対策について要請。昨年10月にギャンブル等依存症対策基本法が成立し、今年4月にギャンブル等依存症対策推進基本計画が閣議決定した。その中でホールにおける管理者の業務として、依存抑止に繋げる諸施策が義務付けられた事は周知だ。高木部長はカジノを核とするIR誘致が進められる中で、依存症対策は避けては通れない課題だとし、大衆娯楽を担うパチンコ業界が一致団結して諸施策を推進する事に期待を寄せた。
 講話を受けて平川理事長は、組合を挙げた自主防犯の強化に向けた一層の取組みを約束した。依存症対策においては、例えば安心パチンコ・パチスロアドバイザーはこれまでのべ2335名が受講して、1店舗平均3名のアドバイザーの配置に至ったと成果を述べた。今後も自己申告・家族申告プログラム等の各種取組みの推進・強化を図るとともに、行政と協議しながら新たな取組みも積極的に行っていきたいとした。
 業界の現状はレジャー白書によると市場規模が3.7%減少したものの、遊技人口は50万人程度の回復が見られた。しかしながら依然として900万人台という低水準であり、極めて深刻な状況には変わりないと平川理事長。
「来年は新規則機への入替や改正健康増進法の全面施行などによって経営環境が大きく変化する年となります。この様な時だからこそ、組合員が一致団結して、社会ニーズに沿った取組みを推進するとともに、遊技人口回復を図るべく、身近で手軽な大衆娯楽としての環境を整えていきましょう」と団結を呼びかけ、各種施策への協力を求めた。
 懇談会後の定例理事会(理事63名中本人出席51名、委任状出席9名で成立)は段正峰副理事長を議長に選出して議事を進行。はじめに新たに加入申請を行っているホール4店舗について承認を図り、全会一致で可決。続いて各種委員会報告が行われた。
 総務委員会では安心パチンコ・パチスロアドバイザー講習会について平成29年6月からの実績を報告。今年7月の講習会まで延べ31回、2335名(内非組合員13名)が受講した。経営対策委員会では全日遊連から店舗の管理者が概ね月に1回の頻度で記入し保管する「依存問題対策実施確認シート」について、従業員を含めた周知を要請。このシートは遊技産業健全化推進機構が行う依存防止対策調査に際して、必要に応じて調査員に示せるよう全従業員が閲覧しやすい場所に常置してほしいと要請した。
 また、青年部会では12月22日に第33回未来っ子カーニバルの開催が伝えられた。今年のテーマは「未来につながる、未来っ子ウインターキャンプ」をコンセプトに、本年開催されたラグビーワールドカップ、更に来年開催される東京オリンピックのスポーツの祭典にちなんで、これまでのアトラクションのほか、サッカー、野球、水泳等のスポーツを楽しむ企画を盛り込んだ。参加施設及び人員は34団体施設より約1900名となる予定。また、各支部、ホール、関西遊商、回胴遊商などの団体から約200名のボランティアも参加する。