休業要請に応じないパチンコ店の店名が相次ぎ公表されている。大阪府が4月24日に6店を公表したのを皮切りに、再度大阪府が27日に3店追加し、兵庫県が27日に6店、28日には神奈川県が6店、群馬県が9店、茨城県が1店を公表。現時点で5府県、計31店が公表されているが、今後も宮城県、福岡県、愛知県と続々と公表がなされる見込みだ。
これは今までの特措法24条の「休業協力要請」から45条の「施設の使用の停止を要請」に切り替えて要請を行うもので、一段階強い措置となる。上にはさらに一段階強い「指示」という措置もあり、大阪府では既に、休業要請に応じず店名を公表しても現在も営業を続ける府内のパチンコ6店について、要請に応じない場合は今週中に特措法の45条に基づく休業「指示」を出す方針を明らかにしている。
この45条は「施設の使用の停止を要請」「指示」を含め、特措法で「遅滞なく、その旨を公表しなければならない」とされており、45条を適用した場合は自治体は必ず公表しなければならない。ただし「施設の使用の停止を要請」「指示」に応じなかった場合でも、罰則規定はない。
これについて西村康稔経済再生担当相は4月27日、特措法に基づくパチンコ店などへの休業「指示」に応じない店について「指示に従わない施設が多数発生する場合、罰則を伴う強制力のある仕組み、法整備について検討を行わざるを得なくなる」と述べ、特措法を法改正で罰則規定を設ける考えもあると明らかにしている。
各自治体の「公表」への方針は、以下の通り。
・宮城県 28日に営業したら29日に公表
村井嘉浩宮城県知事は4月27日、特措法24条に基づく休業要請に応じない事業所名を、29日にもホームページで店名を掲載する方針を明らかにした。休業要請後の週末25、26日にも複数の施設が営業していたとして、再要請に応じなければ、24条からより強い特措法45条に切り替えて店名の公表に踏み切ると説明。営業を確認したのはパチンコ店5店、スポーツクラブ3店、商業施設1店で、県として改めて休業を要請し、拒否すれば店名を公表すると通達した。28日に営業した場合、国との調整を経て29日に公表する。
・福岡県 29日10時までに休業しないと公表
福岡県の小川洋知事は4月27日、休業要請に応じないパチンコ店が4月29日までに休業しなかった場合、店名を公表する方針を明らかにした。県が25、26日に調査したところ356店中22店が営業していたことを確認。県から27日にこの22店に対し「施設の使用停止」要請を通知し、4月29日の午前10時までに休業しなかった店を公表するとした。
・和歌山県 29日正午までに休業しないと公表
仁坂吉伸知事は4月28日、休業要請に応じないパチンコ店が4月29日までに休業しなかった場合、店名を公表する方針を明らかにした。県は25日時点でパチンコ店1店が営業していたことを確認しており、4月29日の正午までに休業しなかった店を公表するとしていた。しかしその後当該店舗が休業する意向を示したことから公表は見合わせている。
・愛知県 30日正午以降も営業したら公表
愛知県は4月28日、休業要請に応じない県内のパチンコ店について同日午後に事前通知を行った。30日正午以降も営業を継続している場合、特措法45条に基づく書面での休業要請をした上で県ホームページで店名を公表するとしている。県は24日より県職員や警察が直接訪問して営業自粛を要請。27日時点で県内514店のうち39店が営業を継続していたという。
・広島県 公表には慎重
広島県では、休業要請を受けている県内のパチンコ店の大半は休業しているが、一部営業を続けている店舗に行列ができており、広島県遊技業協同組合も休業するよう説得している。大阪府をはじめ兵庫県、神奈川県などが休業要請に応じない店名の公表に踏み切る中、県としては「逆に客の集中を招くことにもなる」として慎重な対応を検討している。
・京都府 当面の公表を見合わせ
京都府は4月27日、現時点で営業を続けているパチンコ店は府内に3店のみだと明らかにしたうえで、当初は特措法45条に基づき施設名を公表するとしていた方針を転換し、当面は公表せずに要請を継続するとしている。
西脇隆俊知事は24日の時点で府内パチンコ店161店のうち27店が営業を続けているとして、事前通知した上で施設名を公表するとしていた。しかし府の要請に応じ順次休業に応じた結果、現在営業中は3店であり、残る3店のうち1店も近く休業する意向を示していることから、当面の公表を見合わせた。
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