2月4日より全国ホールへの導入が始まったパチンコ「Pロードファラオ~神の一撃~」(豊丸産業製)。一風変わった開発センスを有することで定評のある同社が、そのエッセンスを余すことなく発揮した意欲的な機種となっている。
「サクッと一勝負」――こういったユーザー層に、本機は最も適した機種と言えよう。何故ならゲーム展開に無駄がなく、演出面においても敢えて冗長的な要素を排除したからだ。それでいて出玉性能は新規則機最高峰。「出るときは出る!」「当たるときは当たる!」と、まさに短時間勝負に最適の一台となっている。出玉感が物足りないと思われている「P」(いわゆる新規則機)とは思えないスピード感と出玉感だ。
初当り(1/319)の64%で突入する「アルティメットボーナス」は、最低でも、一撃4,000発(払い出し)。新規則機=最大1,500発という概念を、いきなり打破したところが、いかにも常識にとらわれない同社らしい。セットタイプのスペックを採用し、セット内の大当り間の見せ方を工夫することで、あたかも1回の大当りで大量のまとまった出玉が獲得できるというイメージを、プレイヤーに持たせることに成功した。
出玉スピードも、新規則機の中では非常に速い。50%以上の確率で当選し続ける連チャン性能を持たせたことが特徴の一つである本機は、運よく3連チャンすれば出玉は10,000発(払い出し)を超える。その間に要する時間はCR機と変わらない感覚だ。まさに「仕事帰りの一勝負」「残ったお金で最後の勝負」といったシチュエーションにマッチした機種と言えるのではないだろうか。
豊丸産業では、以前より「たんぱち」(短時間でも楽しめるパチンコ機)の開発に力を入れてきた。その代表作が現在、なお多くのホールで現役稼働中の「CR餃子の王将3」シリーズだ。同機のヒット要因は、初当りの出玉の多さ、ゲーム展開の速さ、連チャン機能の搭載、分かりやすくシンプルな演出仕様といった点が挙げられる。
「Pロードファラオ~神の一撃~」は、「CR餃子の王将3」シリーズに比べ、見た目はガラッと変われど、短パチとしてのヒット要因の本質的な部分を完全継承したことが分かる。「CR餃子の王将3」シリーズを支持したプレイヤー層には、かなりの確率で、一定の満足感を与える遊技を提供できるのではないだろうか。
「規制強化」「射幸性の抑制」という時代の流れのなか、遊技機の仕様も画一化が進むのではないかと危惧される。そのような現状の中で、いかに自店舗において多様性を来店ユーザーに与えることも、店舗管理者または機械選定者に、必要なスキルと言えるだろう。
全ての来店ユーザーに、一分でも長く、一発でも多く遊技してもらおうという考えは、今の時代、捨てるべきなのかもしれない。「長く遊技したい」ユーザーには、じっくり遊べる遊技機を、「短く遊技したい」ユーザーには、それにマッチした遊技機をといった風に、来店ユーザー一人一人のニーズに、答えていくことが、今後、ホール関係者にはますます求められていくことだろう。
自店舗の機種構成の中で、ちょっとしたスパイスを加える、その候補として導入後ではあるが「Pロードファラオ~神の一撃~」には、一考の価値があるだろうと考える。
今後も本機には注目をしていきたい。
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