明けましておめでとうございます。ここ10年以上ずーっと、「今年は業界にとって大きな変革・激動の年になる!」なんてことを言い続けているような気がしておりますが、その例に漏れず2023年も穏やかな年になるとは思えない予感です。ホール、メーカー、プレイヤー、そして周辺企業様もが雁首揃えて総ざらいの「ギリッギリ」感がひしひしと伝わってくる。スマスロ・スマパチという光は見えたものの、「お客さんが増えてきた」実感が伴わないうちは、とても呑気なことを言える状況にはありません。僕にしたって、業界にこのまま骨を埋めていいものか、この先も仕事があるのか、わずか数年前には笑い飛ばしていたような不安に襲われることもままあったり(汗)。あぁ、ただ客として負けて文句言ってるだけならどんなに幸せだったろう……。あっ、こんな物言いこそが業界とプレイヤーメンタルの乖離を示す好例でしょうか(笑)。
というか、お客さんは本当に戻ってくるのか、根源的な問いかけもしたくなりますって。スマスロ・スマパチは確かに期待の星ですが、投資できるホールとそうでないホールの格差は今後広がっていくだろうし、また先行するだろう荒いスペックを嫌うプレイヤーだって少なくないはずです。戻ってくる、新しく入ってくる人と、参加人口減少率の天秤で考えたら、投資に見合う買い物ではない可能性だってあるわけです。そもそもからして、スペックが良くなった!と言って反応する人は既存プレイヤーなわけで、肝心要の「新しい人」に向けて、スマスロ・スマパチの存在は届いているのでしょうか。期待感は醸成されているのでしょうか。この点、業界はちょっとPR下手だなぁと思うことは少なくありません。
昨秋に日電協の作った、「スマートパチスロ、はじまります。」のティザーがあったじゃないですか。欧米人モデルとか使っちゃって、キャー小っ恥ずかしいみたいなイメージ映像の。心汚れたおっさんが見ると、何を開き直ってとか、現実問題は棚上げかよとか毒付きたくもなるもんですが、でもああいう「綺麗事」こそテレビやネットでもっとガンガンに流さないといけないまさに新しい人向けのプロモーションですよね。確かに、美辞麗句がすぎるけど、センスも何だか意識高い系に思えるけど、まあ言ってることは嘘じゃない(笑)。なら堂々と一般に向けて、もういいよってぐらい、BGMが頭に浮かぶぐらいまでしつこくやってほしかった。人間、興味のないことに目が向く余裕なんてほとんどないもの。耐えて頑張ってやっとリリースにこぎつけたんだから、ここぞとばかりに業界らしさを発揮して、お金ぶち込んでも良かったんじゃないのとは思いました。
その動画はパチスロサミットのYouTubeチャンネルに上がってますが、5ヶ月でわずか1.3万回の視聴数ですからね……。我々ライターや演者がコメントを寄せた第二弾「スマスロ、はじまる。」だって1ヶ月で5.9万回ですから同罪ではあるのですが、一般に向けて届かなかったばかりか、ただ業界内で一部冷笑を浴びせられただけのプロジェクトに終わるとしたらあまりに悲し過ぎます。やった感だけかよ、って。
自店舗のお客さんや既存プレイヤーに対して、僕ら媒体関係も含めて現場はそれぞれ「最善」と信じている販促を続けています。しかし、専門外である「その外」に向けては、三々五々で何かやろうたって無理な相談なんですよね。でももう、いい加減に、業界ぐるみで計画しなきゃ待ったなしの状況ではないのでしょうか。やってる感で済ませるのは行政向けのポーズだけで充分じゃないでしょうか。ヤキモキしている業界人は少なくないと思います。
職域横断の業界団体だってあるんだし、まとまらないのがこの業界の伝統なんて嘯いていないで、一致団結しっかりお願いしますよと申し上げて、年頭のご挨拶とさせていただきます。今年もよろしくお願いします。
大﨑一万発
パチプロ→『パチンコ必勝ガイド』編集長を経て、現在はフリーのパチンコライター。多数のパチンコメディアに携わるほか、パチンコ関連のアドバイザー、プランナーとしても活動中。
The post 【寄稿】やってる感はもういらない(WEB版)/大﨑一万発 first appeared on 『遊技日本』.
Copyright © 2023 『遊技日本』 All Rights Reserved.