パチンコ経過措置延長、警察庁が改正規則の付則を改正

5月14日、警察庁は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則」及び「遊技機の認定及び型式の検定に関する規則」の2つの改正規則の付則を改正し、経過措置期間を1年間延長する方針を明らかにした。

改正日は本日14日。施行日は未定(通常であれば一週間程度)。改正されれば、旧基準機については認定、または検定が切れる日から一年間、営業所への設置が経過措置期間を延長して認められる。ただし、対象は施行日以降に認定や検定が切れる遊技機に限られる。

警察庁はこの措置を、「新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、改正後の基準に係る遊技機への入替が困難となっており、また、入替等に伴う感染拡大の防止を図る観点から、経過措置の1年延長を行うもの」と説明。また新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、緊急に措置を講じる必要があることから行政手続法の第39条4項1号に規定する「公益上、緊急に命令等を定める必要がある」場合に該当するとして、意見公募手続き(パブリックコメント)は実施しない、としている。

この件に関しては、業界6団体が「検定期間・認定期間に基づく遊技機撤去期限の延長」を警察庁に要望したとして、業界の横断的組織である日遊協は会員に5月3日発出文書(本部発第67号)で知らせていた。

これについて松本光弘警察庁長官は14日、国家公安委員会委員長記者会見において「ぱちんこ等の遊技機については、平成30年2月に風営適正化法施行規則等を改正して、遊技球等の獲得性能に関する遊技機の基準、いわゆる出玉基準の見直しを行い、それに伴い、一定の経過措置期間を設けたところです。今回の改正は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、改正後の基準に沿った遊技機への入替を経過措置期間内に行うことが難しくなっており、また、入替作業に伴う感染リスクも懸念されることから、経過措置期間の1年延長を行うものです」とし、「警察としては、遊技機の入替を含め、業界の健全化に向けた取組が一層推進されるよう、引き続き指導してまいります」と述べた。

パチンコ・パチスロ遊技機については、各都道府県公安委員会での検定または認定の日から、営業所への設置期限が3年間と定められている。しかし改正規則から3年目が2021年1月末に迫る中、来年1月末までに全国の旧基準遊技機、全台を入替するにあたっては、新型コロナウイルス感染拡大の影響で9割以上の店が休業要請に応じて営業していなかった他、休業による入替資金不足も危惧されており、さらに遊技機メーカーでも部材調達が困難になったとして発売延期が続出、実現に厳しい見方がされていた。

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