岡山県遊協は6月15日、岡山市内のホテルグランヴィア岡山にて2023年度の通常総会を開催。合わせて岡山県遊技業防犯協力会および岡山市パチンコ業協会・同防犯協力会の総会も開催された。総会では、2022年度事業報告や2023年度事業計画など5議案が上程、審議された。
当日は総会に先立ち、同組合が昭和40年から出資している一般財団法人岡山県青少年財団(末長範彦理事長)による助成金・補助金贈呈式が行われた。助成金交付では岡山県産業教育振興会等11団体へ計101万円が、補助金交付では岡山県少年警察協助員会連合会等14団体へ計128万円が贈呈され、これで設立時から本年までの寄付受取総額は約2億3,440万円となった。
総会では、冒頭挨拶に立った千原行喜理事長が「昨年10月に発表されたレジャー白書では、パチンコ・パチスロ参加人口は720万人とピーク時の75%減、売上は16.4兆円と半減している。店舗数も本年4月末で6,639店舗とピーク時の70%減。岡山県も同様にたいへん厳しい状況で、ピーク時の60%減とまさに非常事態と言える状況だ。要因は新型コロナの影響や多様なレジャー産業の競合、若年層のパチンコ離れ、またスマート遊技機が思うような集客効果にまで至っていないこともある。このような厳しい現状を打開するためには、ギャンブル依存症対策や社会貢献活動等をより進化させながら様々な角度から対策を取る必要がある。ホール経営においては利益率を上げるのではなく増客により利益率を下げて、数多くのお客様が賞品交換の楽しさを得られる営業を行ってお客様を増やすこと。これにはいわゆる脱等価の問題も含め、今一度、大衆娯楽としての原点に立ち戻る必要がある。より一層、我々組合員が一丸となり継続して創意工夫を重ね、死に物狂いで切り開いていくしかない」と決意を熱弁した。
続く祝辞では岡山県警察本部の荻野英俊生活安全部長が「パチンコ業界におかれては誰からも愛される大衆娯楽としての発展を目指し、業界の健全な発展に向けてご尽力をされている。一方で社会問題としてぱちんこへの依存問題、遊技機の不正改造事犯、賞品買取事犯、広告宣伝など健全化を阻害する要因も存在する。こうした厳しい現状を改めて認識し、適切かつ着実に取り組みを進めていただきたい」と挨拶。
次に岡山県警察本部生活安全企画課の中西豊課長より講話があった。「業界が取り組むべき課題はいくつかある。1点目は、広告宣伝のあり方。ご承知の通り昨年12月には警察庁通達が10年ぶりに改正となった。ただし今回の通達改正は、各都道府県ごとの解釈、運用の違いによって生じていた広告宣伝の地域差を解消するもの。規制緩和がなされた、との認識がごく一部であるようだが、実質的な変更はなくこれまでと何ら変わりない。広告宣伝の健全化に一層の取り組みをお願いしたい。2点目は、のめり込み依存症対策。取り組み状況に店舗間の温度差が見られる。自店は十分か、形骸化していないかの点検を行っていただき、更なる改善と進化をお願いしたい。3点目は児童の車内放置事案の防止。児童が車内に残されたまま熱中症等で死亡する痛ましい事案が発生している。昨年は見回りにより児童を発見、大事に至らなかった事例もあった。今後も注意喚起や、スタッフによる駐車場の定期的な見回りをお願いしたい。4点目は、ぱちんこ営業に関する違法な事案の絶無。遊技機不正改造事犯や賞品買取事犯が後を立たない。これは賭博との一線を画す上で根幹となる規制に違反するもので非常に由々しき自体。警察としても悪質な違反に対しては厳正に対処する方針だが、組合としても違反行為を絶対に容認しない環境づくりをお願いしたい」と述べた。
総会後に行われた祝賀パーティーでは、岡山県遊協から日本赤十字社岡山県支部・一般財団法人岡山県青少年財団、公益社団法人岡山県防犯協会へ計300万円が、岡山市ぱちんこ業協会からは一般財団法人岡山県青少年財団へ10万円の寄付金贈呈が行われ、次に日本赤十字社や岡山市等から感謝状が授与された。来賓祝辞では、会場に駆けつけた木村義雄元厚生労働副大臣や逢沢一郎衆議院議員らが祝辞を延べ、回胴遊商の大饗裕記理事長の乾杯の挨拶で華やかに始まった。
※回胴遊商理事長の大饗(おおあえ)の「あえ」の字は、正しくは上が「郷」ですが、ご覧の環境によっては正しく表記されない場合があります。
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