【寄稿】「適正」とは(WEB版)/大﨑一万発

L北斗に続けとばかりに絶好調スタートを切ったスマパチ『e仕置人』ですが、導入2週を経てその支持率に若干の陰りが見えるようです。かく言う自分も、導入前から大絶賛の割には他を打つことの方が多いこの言行不一致。いや笑い事ではないんですけど、足が向かない理由は単純明快「回らない」からで、28玉交換で千円14回転〜、等価なら12、13回転程度の調整が早くも定着している状況では、さすがに前のめりでお金を入れようとは思えません。「初当りまで3万円」と考えるなら、ハーデス追う方が建設的だよね、16回は間違いなく回るエヴァのがいいよねと、チラリ釘を見ただけで別のコースに走ってしまうわけです。

もうちょっと回せよ、これじゃ台が死ぬよと仕置人に限らず新台を打つたび嘆くわけですが、いやそれは違う、うちは適正利益だ、回せないのは甘すぎるスペックのせいだと言うホール様の声も、それはそれでウソではないのが……。もとより甘い台を、ちゃんと商売の具として使うなら、そりゃ13回になりますわ。自分が店長でもそうしますわ。でもエヴァにしてもリゼロにしても、強気一辺倒の営業ならここまで育ってなかったわけで、期待のスマパチを象徴する仕置人ならば、せめてエヴァと同じレベルの運用でないと、いいも悪いもないと思うんですがね。ただまあ、始まったばかりの新ジャンル、現状どうのこうの論評するのは時期尚早。今後とも適正な運用を心がけていただきたく、切にお願い申し上げます。

と、先日ある識者と飲んでおりましたところ、その「適正」の基準が狂っていることに気がつかないと客は増えないよと、おっぱい揉みながら言われたわけです。ビッグデータを見てみろと。20Sと4Pの玉粗利が同水準なんだと。Pの時間粗利はSの2倍なんだと。それだけ金が入る=キツイのが今のパチンコ、客がついてこれないなら、それは適正じゃないよね。利益率で見ている限り、適正なのにおかしいと言いながら客は減っていくだけだよ、と。

なるほどなるほど、プレイヤーは負担できる「率」ではなく「額」に上限があるわけで、単価が上がったなら応じて利益率を下げていかなきゃ脱落者が出て当たり前。理詰め俯瞰で考えるなら決して強弁ではないが、しかし時代とは合わなくなった業界基準の「適正」と、今のプレイヤー(しかも庶民)の過負担にならない「適正」、そのギャップこそがパチンコ離れの大きな要因であり、これをギリギリのレベルですり合わせできるホールしか残っていけないんだろう……、と、本当に他人事な物言いにしかなりませんが、繰り返し適正な、それもプレイヤーの期待する適性な運用を、心よりお願い申し上げたいところです。

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